多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

白菜包み、梁実秋

華北の白菜は実に素晴らしい。親戚一家がハルビンにいるのだが、非常に寒いところなので、野菜を手に入れるのは容易ではなく、白菜が入手できるととても喜ぶ。北平では、白菜は一年のどの季節でも手に入る。初冬になると物売りが小さな車に白菜を乗せ、それを押して街角に売りに来る。ふつうの家だったら車に乗っている白菜を全部買い、貯蔵して冬を過ごす。夏は白菜の一番いい季節で、様々な料理を作る。白菜の千切り炒め、

栗と白菜を焼いたもの

白菜の煮込み

白菜の漬物

など、おいしい料理ばかりだ。だが、私が一番好きなのは白菜包みだ。

 まず大きくてふっくらした白菜を選び、芯が出るまで葉を一枚ずつ剥いていく。剥いた葉をきれいに洗っておく。
 ニンニクペーストを小さな碗に一碗用意する。

 麻豆腐(緑豆からはるさめを作った時のかすを発酵させたもの)を一皿分炒める。

これは他の場所で手に入れるのは難しいが、羊の尻尾の油でいためるのが一番いい。青豆を加えるとなおいい。
 小肚児(豚の膀胱に豚の血とオニバスの実から作ったでんぷんを入れて煮たもの)を一皿分切り分ける。

大量の松の実を加えると独特の香りがする。
豆腐を細かく切り刻んだものを炒める。

白菜の千切りをじっくり炒める。
熱いご飯を碗に盛る。
ニンニクペーストを白菜の葉に均等に塗り付ける。麻豆腐、小肚児、刻んだ豆腐を炒めたもの、炒めた白菜の千切りを一緒にご飯に混ぜ、均等に混ぜる。それを白菜の葉の上に置いて、包む。


両手で持って、噛んで食べる。一つ、また一つと食べていくと、顔や手にご飯粒や汁がいっぱいついて、痛快だ。


 かつて清朝の貴族だった満州人によれば、これは満州人の食べ方だという。昔、行軍の途中に、白菜の葉で余った料理を包んで食べたのが始まりだそうだ。だが、この食べ方を称賛しない人はいない。何度か友人を招待して食べてもらったが、みな褒めたたえていた。

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