蜜汁・サツマイモペースト、趙珩
徐州は文化の盛んなところだ。歴史的にもそうだし、現代でも何人かの書画の芸術家がいる。
1992年の初春、「張伯英書道集」の出版記念会のため徐州に招かれた。初春の寒さがまだ残り、会場の暖房も不十分だったので、体がすっかり冷えてしまった。会が終わった後、あるレストランに招待された。
レストランの個室で料理を食べた。美味しくて量も十分、北京の大レストランにも比肩できるものだった。羊肉のダイコン煮込みがあった。
よく見る料理ではあったが、スープは濃くて白く、肉はサクサクと肥えていて、ダイコンはなめらか。それらが一体となりながら個性を発揮しており、少し食べただけで体が暖まった。
そして給仕が大きな皿を持ってきた
黄褐色のペーストにあんがかかっていた。口に入れると柔らかくて甘く、かすかにモクセイの香りがしたが、何かわからなかった。名を聞くと「蜜汁・サツマイモペースト」と言い、この店の自慢料理とのことだった。挨拶に来た経営者に作り方を尋ねた。経営者いわく:まず干したサツマイモを鍋に入れて蒸し、皮をむき、ついてペースト状にする。その後ごま油を混ぜて弱火で炒め、モクセイのでんぷんであんをかける。サツマイモ本来の味を活かすため砂糖は入れない。
これを聞いて故郷の「炒三ペースト」という甘い料理を思い出した。
ヤマイモを蒸して、ついてペースト状にする。ナツメをじっくり煮て皮を取り、ついてペースト状にする。サンザシの種をとって煮て、ついてペースト状にする。これらを別々にごま油で炒める。赤、白、褐色の三色に分けて皿に盛り、それを蒸してモクセイのでんぷんであんをかけるものだ。手を抜くためにナツメの代わりにアズキのこしあんを使ったり、サンザシペーストの代わりにサンザシ糕を使うこともある。春節の宴会用だった。
「蜜汁・サツマイモペースト」の材料は「炒三ぺースト」より平民的だが、香りも柔らかさも細やかさも劣らない。「炒三ペースト」は淮揚料理で、蘇州松鶴楼にもある。
徐州の人は北方の材料を江淮の手法で調理しており、南北双方の特色を兼ね備えている。徐州は江蘇省にあるが、人々は山東の方言を話す。芸術面でも南北融合だ。