多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

随園食単、料理の組み合わせについて知っておかなければならないこと、袁枚

 「娘の条件を見てから婿を選べ」ということわざがある。また「礼記」に「人について描写するなら、同じような人をたとえに使うべきだ」と記載されている。調理の方法についてもこれと同じだ。

 うまくできた料理は、必ず組み合わせもうまくいっている。メインディッシュがあっさりしたものだったら、添え物もあっさりしていなければならない。濃い味のメインディッシュには濃い味の添え物が必要だし、メインディッシュが軟らかいものだったら、添え物も軟らかいものでなければならず、メインディッシュが硬いものだったら、添え物も硬いものでないと、いい料理とは言えない。食材の中で、肉料理にも野菜料理にも合うのは、キノコ、タケノコ、トウガン

などだ。肉料理には合うが野菜料理には合わないのは、ネギ、ニラ、ウイキョウ

ニンニクなどだ。野菜料理には合うが肉料理には合わないのは、セロリ、ユリ根、ナタマメなどだ。カニ粉(カニを蒸した後その肉やみそをほぐして一緒に炒めて作ったもの)


をツバメの巣に入れたり、ユリ根を鶏肉や豚肉に入れたりするのをよく見るが、聖人君子と乱臣盗賊を対座させるようなもので、まさにでたらめだ。だが、植物性の油で肉を炒めたり、動物性の油で野菜を炒めたりして、いい味を出すこともある。

×

非ログインユーザーとして返信する