多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

カザフ人の馬の腸詰、美食中国

 馬の腸詰は干し肉の上等品だ。カザフ遊牧民の一番の得意料理である。

肥え太った馬を屠殺し、腸を取り出して洗い、あばら骨と周囲の肉を取り出して塩と胡椒を振りかけ、1メートルくらいの長さの腸に詰め込む。両端を縛って屋内に干す。一ヶ月経ったら出来上がりだ。

 あばら骨と周囲の肉を使うやり方の他にミンチを使ったり、腸をいぶしたりするやり方もある。カザフ人が作る馬の腸詰は脂肪が多いがしつこくはない。赤身と脂身がはっきりしていて見た目も良く、栄養価が高くて独特の風味がある。イリのカザフの馬肉は天下に聞こえている。馬を全て山中で放牧しているので、馬は走り回る。その結果、良質でしっかりした馬肉ができる。馬は山中の草を食べて育つので、飼料は使わない。環境にも健康にもいい肉ができる。

 馬の腸詰の燻製は素晴らしい。馬肉の一番の良さはあばら骨にある。新鮮な馬肉をあばら骨と一緒にしなやかな馬の腸に詰め、木の枝の煙でいぶす。まさに絶品で、口に入れれば、噛めば噛むほど美味しくなる。

 馬肉は十数種類のアミノ酸と人間に必要なビタミンを多く含んでいる。タンパク質も多く、カルシウム、アエン、鉄、セレンなどのミネラルも豊富なので、気を益して肝を養い、血を補って体を丈夫にする。血液循環を促進し、動脈硬化を防いで免疫力を高める。馬肉の脂肪は牛、羊、豚より良質で、植物油に近い。コレステロールを溶解する。

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