多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

揚げ肉団子、梁実秋

 揚げ肉団子は誰もが好む。特に子供はそうだ。

子供の頃は美味美食のことはわからなかったが、小さな揚げ肉団子が美味しいことだけは知っていた。肉を細かく切り刻んで丸め、油で揚げるのだが、外は焦げていて内部は軟らかい。口に入れるとさくさくして、そんなに噛まなくてもよかったし、種を吐いたり小骨を取ったりする必要もなかった。サンショウの粉と塩を混ぜたものにつけて一個口に入れると、美味この上なかった。惜しいことに、一皿に乗る肉団子は二十個、家族が多かったので、一人当たり二個か三個で、食欲をあまり満たせなかった。

 私の家と同じ路地に同和館という食堂があった。家に客が来ると同和館にいくつか料理を頼んだのだが、必ず揚げ肉団子がその中にあり、食いしん坊の子供たちは楽しみにしていた。ある日、子供たちが二人か三人で母のそばでおしゃべりをしていた時、弟が突然「母さん、小さな揚げ肉団子は一皿いくらなの?」と尋ねた。子供たちはどっと笑ったが、母は切なくなり、同和館に使用人を行かせて揚げ肉団子を一皿持ってこさせた。子供たちは手を伸ばして一人十個くらい食べて、心から満足した。あれから七十年以上経つが、あの時の小さな揚げ肉団子の味は忘れられない。
 「小さな」という言葉をつけているのは理由がある。肉団子が大きいと内部まで火が通りにくい。無理して火を通せば、表面が焦げすぎてしまう。それゆえ「小さく」なくてはならないのである。「サクランボ肉団子」と言っているレストランもあるが、大げさだ。

実際はサクランボより少し大きいくらいだ。表面をうまく焦がし、内部を軟らかく揚げるには、コツがある。まず、あまり熱くない油で八分目くらい揚げて、鍋から取り出して少しさます。そして、食べる直前に煮立った油でさっと揚げるのである。そうすると表面はうまい具合に焦げ、内部も硬くならない。

 刻みネギと醤油、澱粉を一緒に鍋に入れ、そこにキクラゲを加えて、揚げた肉団子を入れて加熱するやり方もある。これがあんかけ肉団子だ。

 油で煎らず、スープで肉団子を煮れば、白っぽくなりとても軟らかい。キュウリやハクサイを少し加えても美味しい。煮込み肉団子だ。

エダマメがあれば、切り刻んだエダマメを肉に混ぜて団子にするのもいい。美味しいエダマメ肉団子だ。

 湖北料理レストランの「蓑肉団子」はとてもユニークだ。

肉団子をもち米でくるみ、蒸籠で蒸す。もち米の粒が立った状態で肉団子にくっついており、蓑を羽織っているようなので、その名がついた。美味しく作るのはそんなに難しくない。もち米をまず水に入れて軟らかくしてから蒸せば、硬くならない。

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