多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

紹興の美味、アマランサスの茎の漬物(美食中国)


 アマランサスを江南の人はよく食べる。とても柔らかく、根をとって葉と茎を蒸し、醤油やごま油であえると、とても美味しい。

 アマランサスは気を補って熱を清め、目を明るくして腸の働きを良くし、毒を排出する。成長がとてもはやく、一メートル以上の高さになり、下部の葉が枯れてもてっぺんの葉は風でたなびいている。成熟したアマランサスの茎を根ごと抜き取り、根を削ってきれいに洗った後、茎を漬物にする。


伝説によれば、越王勾践が呉に敗れた後、越の国は貧乏になり、人々は山菜を食べて飢えをしのいでいた。ある老人が山でアマランサスを採り軟らかい茎と葉を食べた後、硬い茎を素焼きの壺に入れ数日後に食べようとした。思わぬことに、変わった香りがツボから漂ってきたので、蒸してみたところとても美味しかった。みんなが真似をして、それが今日まで伝わったという。

 アマランサスの茎の漬物は紹興の歴史における美味であり、臭くてさくさく柔らかく、美味しい。消化を助け、食欲を増進させる。

 まず、アマランサスの茎を三センチくらいに切って洗い、水の入った壺に入れる。時間の経過と共に柔らかくなり、両端に裂け目ができ、水に泡が立ってくる。そうなったら取り出して水を切り、適量の塩を混ぜて再度壺に入れ、カビをつける。

 壷の口をガーゼ数枚で覆う。夏の暑い時だったら三日経つと香りが漂い出し、茎の外側が浮かび上がり白いカビが生えてくる。トウガラシで味をつける。

 そのまま食べてもいいし、豆腐と一緒に蒸すととても美味しい。




 紹興の美食臭豆腐は、アマランサスの茎の漬物のつけ汁で豆腐を発酵させたものだ。

サクサクして美味しい。

 つけ終わった後の青白色のつけ汁も宝だ。強い香りで、様々な野菜をつければ一日で美味となる。様々な食材をつけ汁に入れてカビをつけると美味しさが増す。カビトウガン、カビハクサイ、カビ薄切り豆腐などだ。

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