多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

天津の軽食類、唐魯孫

 天津の軽食と言えば、まず狗不理だ。


どれだけ多くの人が食べに行っても、いつも蒸籠から出したばかりのものを売っている。油も汁も多く、ホカホカだ。数年前までは天津の狗不理の店に入ってそのまま食べるだけでは歓迎されなかった。入口に賭博用の札が入った竹筒が置いてあり、

それで博打をしてからだった。勝てば多く食べられ、負ければ少ししか食べられない仕組みだった。

 鍋巴菜

は、天津独特の食べ物だ。

天津に生まれ育った人だけではなく、他地方の人でも天津に長く住んでいると、段々好きになる。特に冬の寒い日、西北の風が吹いている時に、鍋巴菜を食べその汁を飲めば、頭が汗まみれになり、体も暖まって食欲も湧く。

 鍋巴菜の主材料は緑豆の粉だ。まず緑豆の粉を水でこね、平底鍋の上で薄く伸ばす。それを柳の葉のような形に切り分け、デンプンであんかけにしてサンショウをふりかけ、刻んだコウサイを入れる。熱くて香りも良く、経済的で実利的だ。天津では素の鍋巴菜は、朝ならどこでも買える。肉を入れたものはフランス教会の路地の入り口で売っている。赤身肉と脂身にキクラゲとホンカンゾウを加えており、とても美味しい。
 シラウオの産地として有名なのが、廬山、湖北の雲夢、天津の大清河だ。聞くところによれば、新安付近で水揚げしたシラウオが一番いいそうで、

小麦粉を溶かした液体につけてから、油で揚げる。それにサンショウと塩をつければ、酒のいいつまみだ。

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