多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

中国青島の大饅頭(小麦粉製の蒸しパンの一種)、舌で味わう中国

 「舌で味わう中国」3の第六集で、青島市嶗山区の大饅頭が取り上げられ、脚光を浴びた。山東省青島市嶗山区少山村の郭秀青は十六歳の時に母から饅頭の作り方を教わった。それから三十年以上経つ。
 十キロの小麦粉を十分以内にこねて形を作る。スピードがポイントだ。小麦粉は手との接触により熱を生じ発酵してしまう。そうなると、蒸しあがった寿桃

の光沢や美観に影響が出る。これは、ある人の六十歳の長寿を祝うもので、老人の周囲に子孫が集まっている姿を象徴している。

 大きな寿桃を蒸すのに五十分かかる。火加減にも注意しないと、割れてしまう。大きな寿桃ができると、小さな寿桃や花と組み合わせる。全部で三時間か四時間かかる。いかなるプロセスもゆるがせにはしない。
 郭秀青は一生大饅頭を作り続ける。

 当地では、祝い事があった時や祝祭日に、人々は大饅頭を携えて友人や親戚を訪れる。今日、大饅頭は単なる食物ではない。人生の重要亊の証人でもある。

想いを込めた様々な形の大饅頭を赤い布に包む。童年の味、愛の味、団らんの味、これらは慶事の際の盛大な祝福だ。
 現在、青島の大饅頭は数十種類だ。婚礼、誕生日、出産、プレゼント、供養の際に用いられ、多くの人に愛されている。
 以下の写真のように、様々なものがある。

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