多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、アヒルとガチョウの料理

アヒルのスープ

 アヒルを七分目まで煮てから取り出し、サイコロ大に切り分ける。その後、香料、料理用の酒、みそ、タケノコ、キノコなどと一緒に、再度元の鍋に入れる。松の実のさねと白くむいたクルミを加えると、美味しさが増す。


アヒルの煮込み

 アヒルをきれいに洗ってから、水分をしっかり切る。ネギ五百グラムをきれいに洗ってから先端部分を取り除き、揉んで細かくし、六十パーセントをアヒルの腹に詰め込み、四十パーセントを鍋の底に敷く。大碗一碗の醤油と中碗一碗の料理用の酒、小さな杯一杯の酢に適量の清水を加えてかき混ぜ、アヒル全体を浸すくらいの高さまでその鍋に注ぐ。その汁はアヒルの腹にも注いでおく。そのアヒルの上にネギを敷き詰め、そのネギの上に殻に割れ目は入っているが中の飛び散っていないクルミを四個置く。クルミは汁に浸してはならない。その鍋に鉢で蓋をし、薄紙で密封する。強火と弱火で交互に煮ることを三度繰り返す。ネギの味がとてもいい。鶏やガチョウを煮込むときも同じ方法だ。ただし、ガチョウを煮込むときは、八角ウイキョウを加えねばならない。


アヒルの豚肉ミンチ詰め

 アヒルをきれいに洗ってから翼の下に穴を開け、腸などの臓物を取り出し、再度きれいに洗う。心を込めて作った豚肉のミンチをアヒルの腹いっぱいに詰め込み、外側にウイキョウ、サンショウ、八角ウイキョウを塗りつける。その後クマザサの葉でしっかりくるみ、鍋に入れて鉢で蓋をする。あとは「アヒルの煮込み」と同じやり方で調理する。


ガチョウの壺煮

 ガチョウを五分目ほど煮てから、小さく切り分ける。ショウガ、サンショウ、ウイキョウなどを口の小さな壺に入れ、その上にガチョウの肉を敷く。これを何層か重ねてしっかりと詰め込む。クマザサの葉でその壺をしっかりと縛ってくるんだ後、その壺自体を沸騰している湯のなかに置き、とことん煮込む。その後ツボを開け、肉を切って食べる。


 ウイキョウは温の性があり、食欲を増進して寒を散らし、嘔吐や腹痛に効く。八角ウイキョウは香りが強烈で駆虫効果があり、胃を健康にして寒を取り去り、神経を興奮させる作用を持つ。

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