多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

塩水鶏、金受申


「塩水鶏」は、家庭でおなかがすいたり、招かれざる客をもてなしたりする時にぴったりだ。ご飯やおかずが上等でなくても、「塩水鶏」を作れば、楽しく過ごすことができる。

 「塩水鶏」の作り方は簡単だが、最大のポイントは若鶏を使わないことだ。年を取り過ぎた鶏もダメで、一年くらいのものがちょうどいい。鶏が若いかどうかを試すには、指先で胸の骨を折ればいい。簡単に折れるものが最も若い。骨が湾曲するものは当年ものだ。年を隔てた老いた鶏の骨は、普通の人の指の力では曲がらない。

 まず、鶏を殺して羽毛をきれいに取り去る。洗った後二つに分け、鍋に入れる。南京土鍋が一番いい。鶏肉が隠れるまで水を入れ、塩を多めに加える。塩が少ないと美味しくない。だが、露店で売っているもののように塩辛すぎてもダメだ。そして料理用酒を注ぎ込み、とろ火でじっくり煮込む。スープが鍋の底近くまで減るとサンショウを入れ、スープがほとんどなくなったら鍋から出す。冷やして食べると酒のつまみによく、暖めて食べるとご飯がすすむ。スープが鶏肉に沁み通っているので、市場で売っているものよりはるかに美味しい。が、煮込みすぎてしまうと、美味しさがなくなってしまう。試しに作ってみられたらどうか。「五芳斎」の「肥油鶏」よりはるかに美味しい。

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