多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

千切り鶏肉の煮凝り、金受申


四季の移ろいに従って、食物も変わる。鶏肉料理も同じだ。「塩水鶏」は四季の全てに向いているが、夏は「酒酔鶏」を食べるのがよく、冬は「糟鶏」を食べるのがいい。春になったら、色合いも味も美しい「千切り鶏肉の煮凝り」がいいだろう。

 「千切り鶏肉の煮凝り」の作り方。当年ものの鶏を一羽、羽毛をむしり取ってきれいに洗う。塩水に豚の蹄一つを加え、そこに料理用酒を注いだもので、とろ火でじっくり煮込む。煮えたら鶏を取り出し、豚の蹄を捨て、鶏スープのカスを取り去ってさまし、スープだけを容器に注ぎ込む。その後鶏の胸肉を千切りにし、そのスープに入れるが、多すぎると美観を損なうので注意すること。鶏スープが紹興酒のような色になってきたら、細かく刻んだコウサイを煮凝りの上に並べる。ドミノなような形に切り分け、白い皿に盛りつけると、色合いも味も素晴らしい、春に飲む酒の絶好のつまみとなる。

×

非ログインユーザーとして返信する