多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

鶏の黄土包み焼き、金受申

 田舎の子供は瓜の皮を鍋がわりにしてトウモロコシを焼いて食べる。野生的な食べ方だが、一種の不思議な味がして、俗世間のことが忘れられる。私の親友

奎華さんは太湖の洞庭山に住んで二年になるが、野生のものを食べ、味わい深い生活をしている。彼が発明したユニークな料理に「鶏の黄土包み焼き」がある。何度か食べたが、極めて美味だ。

山中なので簡素な食べ方ではあるが、大都市の中のレストランでは享受できない味だ。

 作り方。六ヶ月か七ヶ月の若鶏を殺した後、血を抜く。羽毛もむしらず、腹も開かないが、翼の下に小さな穴を開け、ネギとショウガ、料理用酒と醤油などを混ぜ合わせた調味料を詰め込み、空いたところにハスの葉を詰める。その後その鶏に黄土を塗って大きな団子のようにし、かまどを用いてコウリャンのわらで焼く。火が強すぎてはダメだ。黄土が焼けて乾いたら、すぐに取り出し、黄土と鶏の羽毛、鶏の皮を一緒に剥き取る。中の肉は白くて柔らかく、香りが鼻を打ち、よだれが出そうだ。手で鶏肉を引き裂くと、とても柔らかくてサクサクしている。鶏はどんな方法を使っても元の味を保つのが難しい。元の味を保てるのは、この調理法だけだ。それにハスの葉の爽やかな香りが加わるので、言葉にできないほどの美味となる。酒のつまみにもご飯のおかずにも、最適だ。

×

非ログインユーザーとして返信する