多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

蒸し干し肉、食憲鴻秘



 塩に漬けて干した豚のひじをきれいに洗い、煮た後、再度新しい水で煮る。その後、また水を取り替えて煮る。それを何度も繰り返して干し肉がきれいに、薄味になったら、酒と醤油、サンショウとウイキョウ、ネギと一緒にして、蒸す。長く塩漬けにしておいた豚のひじでも、爽やかな美味となる。蒸すと、干し肉は容易に味が変わる。が、再度蒸しても味は変わらない。サンショウとウイキョウを使用するときは、特に細かく砕いた粉末にしておかなければならない。

 長年塩漬けにしておいた干し肉を煮ると、湯の中で豚の油がよく飛び跳ねる。もうすぐ煮えるかなというときに、赤く焼けた炭をいくつか入れるとはねなくなるし、変な匂いも生じない。

 干し肉とは、冬(多くは旧暦十二月)に塩漬けにした後、陰干しにしたり煙で燻したりした肉のことだ。赤みの部分は潤い豊かな紅色で、脂身の部分は透明な黄色、こしのある肉質で弾力性に富み、独特の風味がある。味は塩辛く、性は平、寒を取り去り食欲を増進させる効能がある。干し肉は腐りにくく、低温で乾燥したところなら、三ヶ月から六ヶ月保存できる。大量の亜硝酸塩を含んでいるので、多く食べ過ぎるのはよくない。老人と胃や十二指腸に潰瘍がある人はタブーだ。

 暗い色で弾力性がなく、カビの跡があったり、変な匂いのするものは、劣った品か変質した品で、食べてはいけない。長期間干し肉を置いておくと、ボツリヌス菌が発生し、食中毒を起こすことがある。

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