多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

ソラマメ、周作人


 豆類の中では羅漢豆が一番面白いと思う。他地方ではソラマメと呼んでいるものを、私の田舎では羅漢豆と言うのだが、理由はわからない。様々な食べ方ができるところがいい。たいていは薄く味をつけるだけで、凝った調理法は極めて少ないが。私が知っているのは五目豆炒めくらいで、豆を剥いてじっくり蒸し、ごまみそ油とあえて食べる。

干した野菜のスープにソラマメを入れることもある。
 少し硬くなった豆を油で揚げたものを玉蘭豆

と言い、皮付きの豆の上半分を切り開き、油で揚げた後反対方向に巻いたものを蘭花豆

と言って、酒のつまみにする。

 が、やはり一番いいのは普通に煮たものだ。

硬くも軟らかくもない豆をじっくり煮て塩を加える。鮮やかな緑色で、いくら食べても飽きることがない。秋に煮るヒシ

と同様に素晴らしいものだが、風味は異なる。

 炒めたものも数種類ある。沙沙豆が素晴らしい。豆を水に一日か二日浸けておき、砂と一緒に炒める。サクサクしていて、自分の家で作ることが多い。店頭で見るのは鉄ソラマメ

だけだ。鉄のように硬い。大きくて扁平なものもあり、俗に牛踏瘪と呼ばれている。そんなに硬くはないが、味は少し落ちる。塔山下で芽が少し出たソラマメを炒めたものを売っているが、

とても有名だ。見た目は平凡だが、甘みが少し感じられる。芽がどれくらい出ているのかが重要で、炒め方とは関係がない。芽が少し出たソラマメは普通に煮てもおいしいが、食事の添え物にすることが多く、それだけを食べることは多くない。

 (1950.7)

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