多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

乾燥ハヤ、周作人



 乾燥魚と燻し肉は田舎の名物だ。一番有名なのは火腿


と家郷肉

だろうが、高級すぎるきらいがある。その上欠点もある。燻したり乾燥させたりしても、日にちが経つと油がぬけてしまい、分量が減ってしまうのである。

 長期間保管しても悪くならないという点では、魚を乾燥させたものが一番いい。一メートルくらいの長さのセイギョを乾燥させたものを、切り分けてじっくり蒸すと、紅白の色合いが鮮やかで、酒のつまみにもご飯のおかずにもいい。

 が、私が一番好きなのはハヤを乾燥させたものだ。夏に採った小さめの白ハヤに、醤油と酒、サンショウを加えてじっくり蒸し、炭火であぶって乾かす。それを磁器の瓶に保管しておけば、いつでも好きなだけ取り出して食べられる。煮たり蒸したりしなくてもとても美味しいのが、特色だ。秋も深まると、老酒の美味しい季節になる。そういうときに、まさにぴったりだ。(1950.9)

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