多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

レンコンとハスの花、周作人

 友人が山西から帰ってきた。山西は池は少ないがレンコンが多く、レンコンを蓮菜と呼んでいるとのことだった。これはぴったりの呼び方だが、レンコンは果物として食べるのがいいと私は思う。第一、田舎でレンコンを切ったものを生で食べる。第二、北京のヒシの実と一緒に氷で冷やす。第三、薄く切って甘酢であえる。第四、かゆを炊いたり、砂糖漬けにしたりする。もう菓子に近いものになるが、甘いのがレンコン

の本領だ、汁を搾って粉を作るのは、西湖の「レンコン粉」が有名だが、これも甘い味をつけて食べるのが不文律だ。レンコンとシロクワイは性質がかなり似ており、サトウキビと一緒に煮てもいいし、菓子にしてもいいし、粉を取ってもいいし、切ったものを肉料理に加えでいいのだが、果物であることを忘れない方がいい。

 ハスの実の一番簡単な食べ方は煮ることだが、ちまきに入れたり、八宝飯や臘八粥に加えてもいい。ハスの葉は粉蒸肉という料理に使い、ハスの花は酒に香りをつけるのに使う。円明園の左側の海甸鎮ではハスの花の白酒を作っている。本来はハスの花の香りがするのだが、今年一瓶一万九千元で売っていたものは薬の匂いしかしなかった。甘いことは甘かったが。ハスの花とモクセイの花は、植物の中の変わり者だ。同様に芳しいが、一方は大きく咲き、他方はとても小さい。惜しいことに中国のモクセイの花は科挙に合格した人が独占し、ハスの話は宋代以降湖南の周家が所有していた。

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