多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、腐乳(豆腐を発酵させた伝統食品)の作り方

 旧暦の二月か三月、あるいは九月か十月に作る。豆腐の水分をしっかり切る。方形に切り分け、せいろうの中にきちんと並べて、蒸す。蒸し終わったらせいろうに蓋をして、風通しのいいところに置く。五日か六日経つと、豆腐の表面に白い毛が生える。その毛は徐々に黒もしくは暗い赤色に変化していくが、その時分に豆腐を取り出して、紙でぬぐい、表面の毛をふき取る。この時豆腐の表面を損なってはならない。豆腐十キロ当たり1.5キロの上質の醤油を用意し、そこに五百グラムの炒り塩を入れる。四百グラムの赤コウジにウイキョウ、サンショウ、カンゾウをひいて粉にしたものを混ぜ、塩と酒を入れて攪拌する。その後豆腐を甕に入れ、用意した醤油と攪拌したものを甕に注ぎ込む。土で甕の口を密封し、一か月置いておくと食べられる。密封する時間が足りないと豆臭さが残る。半年間密封しておけば、味がしみこみ、いっそうおいしくなる。


 腐乳は栄養豊かな発酵食品で、千年以上の歴史を持ち、中国の大衆に広く愛されている。魏晋の時代にすでに製作されていた。

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