多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

杜甫のグルメ詩 

「国破れて山河あり」で有名な杜甫のグルメ詩をいくつかご紹介します。       閔郷の姜七府鱠を設く、戯れに長歌を贈る  姜侯が厳冬に鱠をご馳走してくださった。昨日今日と寒風が吹いて黄河は凍っているので、魚を捕るのは簡単でない。漁師が川面に張った氷に穴を開けて魚を捕まえ、料理人に渡す。料理人は音もなくそれを細かに切るが、魚の肉は雪のように白い。骨を刻むと、その身は春のネギのように柔らかい。  私…

食憲鴻秘、梅のジャム

梅のジャム  酷暑の時期に熟した梅の実を採取し、ついて潰す。水は使わず、塩も入れずに、七日間日光にさらす。さねと皮を取り去り、紫蘇を加えて、再び七日間日光にさらして貯蔵する。使用する際に塩もしくは砂糖を用いてもいい。暑い時期に日光にさらしても、梅は変質しない。 (塩辛い)梅のジャム  五百グラムの熟した梅に五十グラムの塩を加え、七日間日光にさらす。皮とさねを取り去り、十四日間再び日光にさらした後…

北京の伝統フナ料理(金受申)

試しに作ってみられたら、どうでしょう?  金受申  「最もおいしいのはフナだ」と言われる。骨が多くて肉が細かなのがいい。フナは南方にも北方にもいる。鱗の黒白が異なるのと、北方では大きなフナが少ない。フナの高級品は「六合竜池フナ」、略して「竜フナ」と呼ばれ、一尾が一キロか二キロで天下第一の美味だ。調味料を使わずに蒸したり、さっとゆでたり、醤油で煮込んだりする。他に「瓤フナ」、「フナの卵スープ」、「…