二キロの赤身肉を用意する。生水を使わず、膜と筋を取り去り、細かに切り刻む。甘口みそ七百五十グラムと塩二百グラム、刻んだ白ネギ一碗を用意し、サンショウ、ウイキョウ、シャジン、チンピ(みかんの皮を乾燥させたもの)それぞれ二十五グラムをひいて粉末にする。上述のもの全てをいい酒に入れ、それを攪拌して粥状... 続きをみる
多田敏宏:中国の食と病と文学のブログの新着ブログ記事
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旧暦の二月か三月、あるいは九月か十月に作る。豆腐の水分をしっかり切る。方形に切り分け、せいろうの中にきちんと並べて、蒸す。蒸し終わったらせいろうに蓋をして、風通しのいいところに置く。五日か六日経つと、豆腐の表面に白い毛が生える。その毛は徐々に黒もしくは暗い赤色に変化していくが、その時分に豆腐を取... 続きをみる
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グルメや料理とは関係のないことですが、中国のSNSでこんな記事が拡散し、注目を集めています。 要約すれば、武漢の病院の現場の医師や看護師は図のような防護服を八時間以上連続して着用しなければならないので、女性の方は生理用品の不足が深刻になっているということです。いったん着用すると脱げないので、短... 続きをみる
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抗日戦争の時、私は向さんと共に後方にいた。ある時冗談まじりに「あなたの故郷保定にはどんな名産がありますか?」と尋ねたら、「宝物が三つあります。握って掌をマッサージする鉄球と漬物、春不老(ナズナの仲間で山菜の一種)です」という答えが返ってきた。向さんは将来機会があれば必ず見せてくれると約束した。抗... 続きをみる
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ある年、今は亡き父が一家を玉華台のレストランに連れていき、ともに昼食をとった。家族三代がテーブルにそろっていた。そこの自慢料理をすべて食べた後、大きな鉢に入ったクルミのスープが出てきた。色も香りも味も素晴らしく、みんな「おいしい!」と叫んだ。母がその時言った。「おいしいことはおいしいけど、毎日多く... 続きをみる
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豆腐は我々中国の食品の至宝だ。豆腐が漢代の 淮南王劉安が始めたものかどうかはどうでもいい。どのみち、我々は長年食べ続け、今なお食べている。海外留学している人が中華街の食堂に行ってたまのご馳走を食べる時、焼いた豆腐は欠かせない。そうしないと「故郷の味」にならない。海外で豆腐製造で儲けた人もいれば、... 続きをみる
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中国の風雅な人たちは、ずっと梅の花を愛してきた。その第一は宋代の林逋で、梅の花と恋愛までしていた。これは私たちにとっては理解困難だ。その後の詩人には、雪の日に笠をかぶって舟に乗り梅の花を見に行くような人もいたし、ずっと家にこもり梅の花そのものは直接見なかったが、詩の中で月や林と一緒に詠んでいた人... 続きをみる
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友人が山西から帰ってきた。山西は池は少ないがレンコンが多く、レンコンを蓮菜と呼んでいるとのことだった。これはぴったりの呼び方だが、レンコンは果物として食べるのがいいと私は思う。第一、田舎でレンコンを切ったものを生で食べる。第二、北京のヒシの実と一緒に氷で冷やす。第三、薄く切って甘酢であえる。第四... 続きをみる
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私の故郷は水郷で、アヒルを産する。高郵のアヒルといえば、有名だ。アヒルが多いと、アヒルの卵も多い。高郵の人はアヒルの塩漬け卵を作るのが得意で、とても有名だ。蘇南や浙江で人に出身地を尋ねられて答えると、相手は粛然として「あ、アヒルの塩漬け卵のところですね」と言う。上海の漬物店でもアヒルの塩漬け卵は... 続きをみる
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なぜかは知らぬが、私たちの家では雪が降ると漬物スープを飲んでいた。雪の日はチンゲン菜が買えないからか?違うだろう。大雪が三日間降り続き野菜売りが外へ出られない事態にでもならない限り、いつも市場で売っていた。たぶんただの習慣だろう。朝起きて雪が舞っているのを見ると、今日の昼は漬物スープだと思ったも... 続きをみる
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エンドウ豆十リットルを一晩水につけてから、煮る。それを2.5キロの小麦粉でくるみ、ござの上に広げて陰干しにする。カジノキの葉で覆い、豆が黄色くなるまで待つ。黄色くなったらきれいに洗い、ニガウリの皮五キロ(賽の目状に切って塩でつけ、水分を切ったもの)、塩2.5キロ、杏仁四リットル(七度煮て皮と先端... 続きをみる
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四百五十年前の養生書に書いてある「節酒節食のすすめ」です。飲食には節度が必要です。
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神酢 旧暦五月二十一日から、七日間、一日一回米を洗い、それを蒸す。それを陰干しにしてから壺に入れ、カラムシで織った布で口を縛り、日陰の涼しいところに置く。その時壺を地面につけてはならない。旧暦六月六日に、米の飯一碗と水を二碗その壺に入れる。それから七日間毎日一回かき混ぜ、その後煮る。あらかじめ炒... 続きをみる
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甘口みその作り方(一) 一年で一番暑くて湿気の多い日に殻付きの小麦をしっかり洗い、熱湯に入れた後すぐに取り出す。これを何度か繰り返す。その小麦の水を切った後、大きな竹籠に入れ、ハマヨモギで覆う。三日後に取り出して天日干しにする。次の年の旧暦二月に再度天日干しにして、麦の殻を箕を使って取り除き、ひ... 続きをみる
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アヒルのスープ アヒルを七分目まで煮てから取り出し、サイコロ大に切り分ける。その後、香料、料理用の酒、みそ、タケノコ、キノコなどと一緒に、再度元の鍋に入れる。松の実のさねと白くむいたクルミを加えると、美味しさが増す。 アヒルの煮込み アヒルをきれいに洗ってから、水分をしっかり切る。ネギ五百グラ... 続きをみる
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鶏肉の漬物 鶏肉を細切りにし、2.5キロ当たり塩百五十グラム、料理用の酒一壺で一晩漬ける。漬け汁を捨てた後、ネギのみじん切り二百五十グラム、みかんの筋二百グラム、サンショウの粉二十五グラム、ジラシ、ウイキョウ、コウサイ少々、ベニコウジ百グラムを料理用の酒二百五十グラムに混ぜて攪拌したものをその壺... 続きをみる
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周作人が豆腐について書いています。彼は「煮込み豆腐」が好きだったようです。
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ガチョウの卵の酒粕漬 三白酒醸造の過程で酒の汁ができ始めたときに、麻縄で縛ったガチョウの卵を竹の棒にくくりつけ、その棒を酒甕の口に置き、卵を酒の汁にひたす。一日観察し、卵の殻にひび割れができたら引き上げて殻を割る。この時に殻の中の薄い膜を傷つけてはならない。塩を均等に混ぜた酒粕を卵に塗りつける。... 続きをみる
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鶏の卵百個当たり、五百グラムの塩が必要だ。まず、濃い茶を塩に注いでにがりを作る。それを木炭の灰、蕎麦のわらの灰、ヒノキの枝の灰とこねて混ぜ合わせ、鶏の卵の表面に塗りつける。木炭の灰が半分、蕎麦のわらの灰とヒノキの枝の灰を合わせて半分だ。一ヶ月経つと食べられる。清明節に作り始めた鶏の卵のピータンが、... 続きをみる
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魯迅の弟、周作人(1885-1967)が紹興酒について書いています。彼は紹興酒の産地紹興の出身です。
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中華風ベーコン 五キロの肉の塊を二十個に切り分ける。四百グラムの塩と一キロのいい酒を混ぜ合わせたものを肉に塗りつけると、綿のように柔らかくなる。大きな石で圧力を加え、水分を取り去る。残った塩と酒を再度塗り付け、竹串で刺して風通しのいい場所に吊るす。とてもおいしい。 別の作り方:五キロの肉を用意... 続きをみる
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ハクサイの漬け方(一) ハクサイ五十キロを天日干しにする。水は使わない。土をふるい落とし、枯れた葉を取り除く。まず甕の底に塩を一キロ敷き詰め、ハクサイを漬けるが、その際手でハクサイをかき分けないこと。三日か四日漬けたら、塩の漬け汁でハクサイを洗う。その後、1.5キロくらいの塩を甕に敷き詰めるよう... 続きをみる
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酔ダイコン 冬に芯を取ったダイコンを四つに切り分けて、糸を通し、天日に干して七分目まで乾かす。その後、ダイコン五百グラムに塩を百グラムの割合で使用して漬ける。それを再度天日に干して九分目まで乾かし、瓶に八分目まで詰め込み、蒸留酒を流し込む。蓋はしない。数日経つと、ダイコンは臭い気体を全て発し尽く... 続きをみる
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ショウガは体によく、孔子もよく食べていたそうです。 伏姜 旧暦六月の三伏の日、ショウガを漬けてから漬け汁を取り去り、サンショウの粉と紫蘇の葉、杏仁と醤油を加え、均等にかき混ぜてから天日干しにして、甕に入れておく。 糖姜 新鮮なショウガ五百グラムを湯で煮て、辛みの大部分を取り去る。砂糖を二百グラ... 続きをみる
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清時代の李漁(1611-1680)という文人が米や穀物について述べています。粥やご飯を美味しく炊く方法や「五香麺」や「八珍麺」というラーメンの作り方も書いています、
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カニ調理の秘訣 一、オスカニとメスカニを一緒に漬けてはならない。一緒に漬けると蟹味噌がばらけてしまう。 二、酒とみそを一緒に用いてはならない。一緒に用いるとカニの肉がばらけてしまう。 三、カニは新鮮でハサミに損傷がないものを使うこと。 四、若いカニはつかわないこと。 五、カニを捕まえると... 続きをみる
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魚の漬物 魚五百グラムを薄切りにする。水は使わず布できれいに拭う。夏なら125グラムの塩、冬なら100グラムの塩を用いて数時間漬ける。水分を切り、ショウガ、みかんの筋、ジラシ、ネギ、サンショウの粉と均等にかき混ぜ、磁器の壺にしっかりと詰め込む。その後クマザサの葉で蓋をし、十字形の竹串でしっかり固... 続きをみる
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清時代の李漁という人が野菜類について述べています。調理法もついています。
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ごまの菓子 白砂糖三百グラムと麦芽糖百グラムをとろ火で煮込む。粘り気が出てきたときにごま一リットルと炒った小麦粉二百グラムを加え、均等に混ぜる。まな板にあらかじめごまをまいてねばつかないようにしておき、その上に、混ぜたものを熱いうちに引き伸ばす。さらにその上にごまの粉末を撒き、棒で平らに伸ばして... 続きをみる
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明時代の養生書に書いてある健康生活です。
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サンザシのペースト:冬のサンザシをとってきてじっくり蒸し、皮と種を取ってきれいに濾過する。サンザシ五百グラムに白砂糖を二百グラムの割合で加え、つきつぶしたのちに均等にかき混ぜる。少量の紅花のペーストと青梅の漬け汁を加えると、色つやは鮮やかなままだ。冷凍してから四角形に切り分け、油紙で密封する。表面... 続きをみる
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作り方:ミルクを鍋に入れて一回か二回沸騰させた後、鉢に注ぎ、冷やす。表面にできた膜を取る。そのミルクを再度鍋で沸騰させ、再び鉢に入れて冷やし、表面の膜を取る。これを何度か繰り返す。そうやって集めた膜を鍋に入れて煎じ、かすを取り去ったものが「酥」だ。そのかすを集めて、豆腐を製造するときのように圧力を... 続きをみる
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桃:半分熟した桃をじっくり蒸して皮と種を取り、少量の塩を混ぜて天日干しにし、再度蒸してまた天日干しにする。桃が乾いたら、白砂糖と交互に瓶の中に入れ、密封する。ごはん用の鍋でとろ火で煮込めばとてもおいしい。 桃の花:旧暦三月三日に採取した桃の花を、風通しのいい日陰において乾燥させ、ひいて粉末にする。... 続きをみる
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中国のサイトにありました。女性の方は参考になさってください。
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干しサクランボ 熟したサクランボの種を取り除き、磁器の壺の中に白砂糖と交互に重ね、ぎゅっと圧力を加える。半日後、汁を取り出し土鍋に入れてぐつぐつ沸騰させた後、再び磁器の壺に注ぎこむ。一日経ったら、サクランボを取り出し、油紙を敷いた鉄の篩の上に均等に並べ、炭火でゆっくりあぶる。色が赤くなったら取... 続きをみる
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中国では有名な詩で、よく引用されます。茶を六碗飲んだら、仙人になった気がしたそうです。
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梅のジャム 酷暑の時期に熟した梅の実を採取し、ついて潰す。水は使わず、塩も入れずに、七日間日光にさらす。さねと皮を取り去り、紫蘇を加えて、再び七日間日光にさらして貯蔵する。使用する際に塩もしくは砂糖を用いてもいい。暑い時期に日光にさらしても、梅は変質しない。 (塩辛い)梅のジャム 五百グラムの... 続きをみる
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試しに作ってみられたら、どうでしょう? 金受申 「最もおいしいのはフナだ」と言われる。骨が多くて肉が細かなのがいい。フナは南方にも北方にもいる。鱗の黒白が異なるのと、北方では大きなフナが少ない。フナの高級品は「六合竜池フナ」、略して「竜フナ」と呼ばれ、一尾が一キロか二キロで天下第一の美味だ。調... 続きをみる
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セリホンの炒め物 セリホンかカラシナの漬物にダイズもやしを加えて、羊肉ミートソースで炒めた料理は、とてもご飯が進む。 「雷震カラシナ」の煮込み 北京の伝統ある家庭では、春に必ずみそを作り、秋に必ず漬物を作る。金銭節約のためではなく、おいしいものが食べたいからだ。カラシナやセリホンを漬け、白菜を... 続きをみる
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酔棗 冬に食べるもので、酒のつまみにもよく、酔い醒しにもよく、新年の祝いに食べてもいいのが「酔棗」だ。幼い頃、伯母の家の中庭にナツメの木が数本生えていて、毎年酔棗を作っていた。筆者が新年の祝いに行くと、必ず一皿ご馳走してくれた。伯母が亡くなってから十六年経っており、久しく味わっていない。まず、八... 続きをみる
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臘八(旧暦十二月八日)に、様々なものを入れた臘八の粥を食べる習慣が中国にあります。 レシピ1.材料:もち米百五十グラム、リョクトウ二十五グラム、アズキ二十五グラム、カシューナッツ二十五グラム、ピーナッツ二十五グラム、リュウガン二十五グラム、ナツメ二十五グラム、チンピ(干したミカンの皮)一切れ 調... 続きをみる
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白湯 朝起きた時、まず白湯を一杯飲むのはとてもいい。夜寝ている間に「火」の気が人体の上部にたまり、横隔膜が固まってしまう。白湯を飲んで横隔膜を広げると、気分が爽やかになる。塩や砂糖を少し入れておくのもいい。薬を飲む時も、まず白湯を一口か二口飲んでおくといい。 福建ミカンのスープ 福建ミカンを固... 続きをみる
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中国清時代の食養生の古典「食憲鴻秘」を紹介したいと思います。現代日本にそぐわない部分もありますが、今でも十分に通用する部分もあります。